第21回は福井県大野市にある源平酒造株式会社【源 平】です!
福井県大野市は、福井市内から車で40分ほどの場所に位置し、全国的にも珍しい、ほとんどの家が自前の井戸水を使っている名水の里です。1000メートル級の山々に囲まれた盆地で、かつて殿様の御用水として使われていた「御清水」が湧き出しており、環境庁の名水百選に選ばれました。
清酒「源平」の創業は江戸延宝元年(1673年)で、酒造業と漢方薬の販売をしていました。
大野土井藩時代には、大野屋の出店を藩より受け120石の酒類販売鑑札を持ち、藩御用達酒・万寿屋の酒として販売し、大正11年の酒造見込石数は「北陸三件酒造家一覧表」にて前頭で528石となります。
『酒銘源平の由来』
大正初期に登録商標制度ができ、変銘の必要に迫られ「甘」「辛」「ピン」と三拍子揃ったものが当時、良質の酒とされており、平家の優雅さを「甘」に、源氏の荒武者ぶりを「辛」に、そして戦国の世の「ピン」と神経の引き締まりを感じさせ、源平盛衰の昔物語を思い浮かべながら愉しんで頂ける様にと、新酒銘を「源平」と改銘しました。
『鳳凰源平 純米大吟醸』
精米歩合55%の山田錦100%使用。華やかな吟醸香。
熟れた林檎のような香りで、キレがよく、軽快かつふくよかな飲み心地。甘みと酸味のバランスの調和がとれた味わいで、米の旨味をしっかり感じるお酒です。温度帯で香り・味わい共に変化が楽しめ、綺麗でみずみずしさ溢れる味わいは飲み飽きを知らない。名水にも選ばれた「御清水」の地下水を仕込み水として使用し口当たりやわらかなのど越しを引き立る。
原料米:山田錦100% 精米歩合:48%
日本酒度:+5 酸度:1.8
おすすめの飲み方 「冷やして」・「やや冷やして」
『源平 純米酒』
源平定番の純米酒。
越前大野の柔らかで透明感のある地下水を仕込み水に使用しています。芳醇な香り、キレの良い後味が特徴の逸品です。
香りはとてもフルーティーで、ふわりとお米の甘味がかおる、口当たりはすっきりしたとても飲みやすいお酒です。
原料米:福井県大野市産五百万石
精米歩合:60% 日本酒度:+4
おすすめの飲み方 「やや冷やして」
~水と地酒~
酒造りでは、仕込み水から原酒を薄める割り水まで、大量の水を使用します。
水は氷や液体や蒸気や、熱かったり、冷たかったりと、その姿を変化させながら酒造りに貢献します。雑菌を極端に嫌う酒造りでは、使い終わった用具を熱湯殺菌し、念入りに水洗いをします。これほどまでに利用される水がまずかったら、まず酒造りは難しいということは素人が見ても明らかです。
酒造りには「鉄・マンガン・有機物・バクテリア」などは最大の敵になります。
それに対して、「リン酸・カリウム・マグネシウム」などは、麹の発育、酵母の増殖を促進します。
これら成分の違いにより、その土地独自の酒の特徴が現れます。
米は選べたり、変更したりできます。造り方も蔵なりに研究し改良できます。
しかし、水だけはそうはいきません「福井奥越前の水でつくる」だから地酒といえるのです。
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