百楽門 Vol.15

第15回目は奈良県御所市にある葛城酒造株式会社【百楽門】です!

奈良県西部に位置する葛城酒造は、奈良盆地の金剛・葛城国定公園の麓にあります。金剛山、葛城山からの地下水がすり鉢状の盆地に流れ込み、山にしみ込んで濾過された清澄で汚れなき地下水となり、100メートルも掘ると中硬水の水が湧き出てきます。宇陀市にある本家(現久保本家・元禄年間創業)より明治20年、御所市に分家。昭和48年12月近促法第8条により久保酒造から葛城酒造株式会社に名称を変更しました。

清酒発祥の地として知られる、奈良市菩提山町にある正暦寺。現在は本堂と講堂を残すのみの小さなお寺ですが、当時は堂塔伽藍の立派な大寺院でした。清酒は約500年前の室町時代に中世の寺院で作られた「僧坊酒」がもととなり完成したと言われています。正暦寺で造られていた僧坊酒は「菩提泉」・「山樽」と呼ばれ、時の将軍、足利義政をして天下の銘酒と折紙をつけさせたと「蔭涼軒日録」に記されています。1582年5月、織田信長は安土城に徳川家康を招いて盛大な宴を設けました。この時、奈良から献上された「山樽」は、至極上酒であったらしく「多聞院日記」に「比類無シトテ、上一人ヨリ下万人称美」したとあります。


正暦寺の僧坊酒は醱酵菌を育成し、麹米・掛け米ともに精白米を使う諸白酒を創製したという点で、酒造史の上で高く評価されています。清酒造りにおける酒母の役割とは、雑菌を無くしもろみのアルコール醱酵をつかさどる事にあります。単に糖液で培養した酵母菌で酒を造ると、乳酸菌・バクテリアなどの雑菌が殺されることなく、もろみが腐りやすくなります。しかし、正暦寺で創製された「菩提もと」は、酸を含んだ糖液で培養する為、その酸によって雑菌が殺され、アルコールが防腐剤の役割を果たすという巧妙な手法でした。蒸し米と米麹と水からまず酒母を育成し、酒母が熟成すると米麹・蒸し米・水を三回に分けて仕込む、三段仕込みの原型も出来上がりました。これらの酒造技術は室町時代を代表する革新的酒造法として、室町時代の古文書『御酒之日記』や江戸時代初期の『童蒙酒造記』にも記されています。近代醸造法の基本となる酒造技術を確立した正暦寺の境内には、「日本清酒発祥の地」の石碑が建てられています。そして、室町時代の酒造りを現代にリニューアルする研究に、奈良県工業技術センターと県内の酒蔵14社が共同で取り組みました。平成9年から、室町時代の文献を参考に研究を重ね、正暦寺境内から微生物を採取・選抜した乳酸菌と酵母菌を詳しく調査研究し、清酒造りに適した良質で再現性の良い菩提もと総合的製造法を確立しました。

平成10年12月に正暦寺が寺院としては全国で初めて、国税局から酒母製造の免許を取得し、平成11年1月に500年ぶりに正暦寺での酒づくりの復活となりました。



『特別純米酒 百楽門 冴』


究極の辛口。

爽やかな香りと酸味があり、品のあるのど越し。

キリッと引き締まった味わいの辛口。

精米歩合 :60% 

原料米  :備前雄町米100%

Alc度数 :16度

日本酒度 :+10

酸 度 :1.8前後

アミノ酸度:1.4前後

※冷酒もおすすめですが、燗にしても愉しめます!

◎15℃〜25℃ 青リンゴの様な香りと酸味。旨味が感じられます。

◎30℃〜40℃ ピリッとした辛口の中に米の旨味とコクがあります。

◎45℃〜50℃ 良いです!バランス良く喉ごしも爽快です。

◎50℃〜60℃ コクがあり軽快で爽やか!透明感のある飲み口。


酒造好適米「備前雄町」に出会いその深い味わいに感嘆し【旨口の喉ごしの良い、旨み有る酒】を造る!「備前雄町」米の旨みを出すため季節商品以外はほとんど低温(0~5℃)で貯蔵したものだけを出荷しています。

五百年前の製法で造る「御神酒」~どぶろく~

毎年11月23日に全国の神社において、新穀感謝祭(宮中では新嘗祭)が行われます。その年に収穫された新穀を神様にお供えし、豊作を感謝する儀式で、古事記にも記述があります。葛城酒造は全国で唯一500年前に創醸されたそのままの製法で新穀感謝祭用の御神酒を造っています。


「菩提もと仕込み」と「どぶろく造り」を行っていることが、葛城酒造の特徴です。五穀豊穣を感謝しながら、日本酒の歴史とロマンを感じるこの酒造りを行うことで、地元・奈良との繋がりを深いものにし、この土地でしかできない酒造りを行っています。「百楽門」の名には次のような意味があります。

「家族や友人、自然などに常に感謝し、楽しい宴に興じ、心の門を開けましょう。」