英勲 大鷹  Vol.16

第16回目は京都市伏見区にある齊藤酒造株式会社【英勲 特別純米酒 大鷹】です!

京都市の南の玄関口である伏見は、桂川、鴨川、宇治川の3つの川に沿った平野部と、桃山丘陵を 南端とする東山連峰の山並みから構成されています。伏見の歴史は古く、『日本書記』には山城国俯見村として記されています。平安時代には、皇室や貴族の別荘がおかれ、安土桃山時代には豊臣秀吉が伏見城を築城し一大城下町を形成しました。江戸時代には京都と大坂を結ぶ淀川水運の玄関口として栄え、幕末には坂本龍馬をはじめとする勤王の志士たちとともに近代の夜明けの舞台となりました。


日本の文化がひとつの熟成をみせる飛鳥・奈良の時代には、既に清酒が作られ愉しまれておりました。

「酒三十三石三升二合、汁二十八石六斗三升二合、滓五石」という既述が正倉院文章にも残されており、清酒や滓酒(おりざけ)があったとされます。


このはるかな時の流れを背景に齊藤酒造が誕生したのは、明治28年のことです。齊藤家の先祖は元禄の頃に泉州より当地へ移り、「井筒屋伊兵衛」として呉服商を営み、酒造業に転じるまで八代にわたって老舗を受け継ぎ守りました。当時の商標は「柳正宗」「大鷹」などでしたが、大正4年10代目貞一郎氏が、大正天皇ご即位の御大典を記念して「英勲」と命名させました。その後昭和、平成、令和と、このブランドを丁寧に育て、現在では日本全国をはじめ、海外へも銘酒を送り出し、各地で高い評価を得ています。全国新酒鑑評会での14年連続金賞受賞は高い醸造技術を裏付けるものです。

『特別純米酒 英勲 大鷹』


原料米のもつ旨みを引き出した豊かな味わいに、深いコクと適度な辛さ、そして邪魔しないやさしい香りを程よくバランスさせた冷よし燗よしの純米酒です。

ラベルの鷹に負けない、しっかりとした味と香りで存在を主張いたします。


精米歩合:60% 

原料米:京の輝き・祝

Alc度数 :15度


◎ 5℃〜10℃ ◎10℃〜15℃ ◎常温 ◎40℃〜45℃

○45℃〜50℃ △50℃〜55℃

 

「灘の男酒、伏見の女酒」

と言われる京都の日本酒。鉄分の少ないまろやかな伏見の水は、水質としては“中硬水”です。軟水と硬水の間であり、程よくミネラルやカルシウムが含まれており、日本酒作りには最適なお水と言われています。一升の酒に、八升の水がいるといわれる酒づくり。中でも良質の豊富な水に恵まれることが、酒造地の条件といえます。


京都産酒造好適米「祝(いわい)」は、精米しやすく、低蛋白質で酒造適性が非常に高い、吟醸酒向きの良質品種です。昭和8年京都府立農業試験場丹後分場で「野条穂」の純系分離によって生まれた「祝」は、昭和8年~21年にかけて奨励品種となり、昭和11年には600ヘクタール以上栽培されていましたが、戦後は食糧増産のため、収量が少ない「祝」は一時作られなくなりました。昭和30年から再び栽培されるようになった「祝」は、良質酒米として伏見の酒造で最も多く使用され、丹波・丹後で多い時には400ヘクタールほど栽培されていましたが、稲の背が高く倒れやすいこと、収量が少ないことなどが原因で昭和49年以降、作られなくなります。「祝」が再び姿を現したのは昭和63年、伏見酒造組合の働きかけによって、府立農業総合研究所などで栽培法を改良、試験栽培が始まり、平成2年には農家での栽培開始、平成4年には約20年ぶりに伏見で「祝」の酒が製品化されました。


ラベルに使用されている画像は、元離宮二条城の障壁画(重要文化財)で、15代将軍徳川慶喜が大政奉還を発表した「大広間」の襖絵です。京都市の許諾の元使用されるこの画像使用料の一部は、二条城の文化財保護活動に役立てられています。