第22回は山口県岩国市にある村重酒造株式会社【金冠黒松】です!
日本三名橋の一つ「錦帯橋」の上流約5キロにさかのぼった山あいに位置し、寒冷清涼、豊富な水を利用し酒造りしています。
村重酒造は昭和26年に、明治初期創業の名門・森乃井酒造を継承し、銘柄を『金冠黒松』とする。
古来、黒松は式典、結婚式等お祝い事には必ず飾られた喜びを象徴するもので、初代蔵元が飲んでいただける皆様に、より多く幸せがもたらされる様、金冠を上に載せ金冠黒松と名付けました。
【軟水と硬水の融合】
仕込み水には錦川の伏流水(巌流井戸:超軟水)と、蔵近くの石灰岩の地層から湧き出る井戸水(観音井戸:硬水)を、求める酒質に応じて使い分けています。ひとつの酒蔵で硬水と軟水が使い分けられるため、酒造りの幅が広がります。
山口県の誇る清流「錦川」は、その昔、川の流れが激しいことから巌流と呼ばれていたといいます。蔵内にあるこの井戸水は、錦川の伏流水であることから「巌流井戸」と命名されました。
慶長18年(1613年)の昔より続く、浄土真宗本願寺派「宗覚寺」の境内にあった井戸で、古くから名水の湧く井戸として地元の人に大切にされてきました。観音地の地名より「観音井戸」と命名されました。
山口県独自の酒造好適米でもある「西都の雫」を主に使用。米の持ち味を最大限に活かし、味わい深く、風味豊かな酒を造り上げるためには、この「西都の雫」という米の存在は欠かせません。
『金冠黒松 純米60』
香りは控え目。しっかりとした飲みごたえのある深い味わい。冷でもお燗でも楽しめる万能タイプ。
原料米:西都の雫100%
精米歩合:60%
アルコール分:15度
日本酒度:+3
酸度:1.7
【日本一の大杉玉「玲瓏」】
杉の葉は、一年中緑を保ち殺菌作用がある事などから、昔から造り酒屋では、杉を便利に使ってきました。酒を貯蔵する樽や桶は、杉の持つ成分と香りが酒造りに適していたからです。
杉玉とは杉の葉を束ねて、球状に刈り込んで作る杉の玉で、これを門前に掲げ、新酒ができたことを知らせ、酒蔵・酒場の看板とします。
昔から新酒のできる晩秋に行われてきた酒蔵の行事です。しかし、もともとはお酒の神様に今年もよい酒ができましたという感謝の気持ちを表すものとして三輪の神杉という言葉がありますが、これは大和の大神(おおみわ)神社のご神体が三輪山そのもので、この山の杉自体に神のたましいが籠もることをいいます。「玲瓏」には「玉が透き通るように美しいさま」また、「玉のように輝くさま」という意味があります。
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