第23回は大阪府堺市にある有限会社利休蔵【千利休】です!
堺市は、大阪府の泉北地域に位置する、大阪市に次いで多い人口を擁する、政令指定都市です。
堺と言えば、刃物・鉄砲・商都として栄えた町というイメージがありますが、日本有数の酒どころであった事をご存じでしょうか?江戸時代後期から醸造業が栄え、大正時代には蔵元が100軒以上あり「酒どころ」と呼ばれるほど酒造りに活気がありました。しかしその活気も徐々に衰退し、昭和46年を最後に酒造りが終息しました。
堺は室町時代から戦国時代にかけての中世16世紀、遣明船の発着地として栄え、豪商たちが「納屋衆」や「会合衆」と呼ばれる自治組織を形成して自由と自治を守り、日本一の先進都市を築いて、様々な文化を生み育んでいました。しかし、今日ではその栄華も旧市街に残る寺社、旧跡に微かすかな面影を留めるだけで、
“黄金の日々”の面影はほとんどありません。「堺の地に酒蔵を」と、酒造免許の取得や用地の確保に奔走して約10年。熱意が天に通じたのか、2014年、夢がようやく実り、堺の地に酒蔵を再建することが叶いました。
『金剛山系の湧き水が千利休を造り出す』
仕込み水は地元、大阪の金剛山系の湧き水を使用。歴史上の言い伝えでは、霊峰と知られる金剛山で修行する行者達がこの湧き水を飲むことで苦行を乗り越えてきたといわれています。 また、地元でも名水として愛され、酒をはじめとする、豆腐や蒟蒻など地元の名産を作る源となっていました。この歴史を育んできた名水が千利休を造り出しています。
『千利休 特別純米酒 辛口』
44年ぶりの堺の地酒「千利休」
五味とは、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味という意味です。この五つの味覚要素を含み辛口にしあげました。主張の強い芳醇な辛さを有し、ほどよいボリューム感があり、スナック菓子や塩味の効いた料理などに相性抜群。
酒名は堺の納屋衆の商家に生まれ茶の湯を確立した利休翁の名にちなんで「千利休」と命名。
また、今年は千利休の生誕500年という記念すべき年なのです。
使用原料米:山田錦
精米歩合:65%
アルコール度:16%
「物のはじまりゃなんでも堺」
堺の酒造業の始まりは中世・室町時代といわれ、江戸時代の初めには京、大阪、奈良と並んで、堺は全国的な酒どころでした。当時、江戸の酒好きに“下り酒”として上方の酒を運んだのも、堺の商人が考案した「菱垣廻船」です。『物のはじまりゃなんでも堺、三味も小唄もみな堺』といわれ、数多くの『日本で初』を生み出してきました。私設鉄道・絵入りの新聞広告・機械による精米・電柱広告など。そして明治の初め、清酒「春駒」醸造元の鳥井駒吉氏が、日本で初めて清酒を瓶詰めする事を考案し、日本酒の普及に多大なる貢献をしたのも堺の酒造家、現アサヒビールの創設者、鳥居駒吉氏です。
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